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デメリット

マイクロ法人向け「法人成り」のデメリット

マイクロ法人向け「法人成り」のデメリット

設立・維持にかかるコストと手間

マイクロ法人を設立する際には、まずまとまった費用がかかります。
合同会社の場合は約20万円から、株式会社の場合は約30万円からが目安となり、司法書士報酬・登録免許税・定款認証などが含まれます。

また、設立後は決算・申告や各種届出が必要です。法人の会計や税務は専門知識が求められるため、自力で対応するのは難しく、税理士などに外注するケースが一般的です。そのため、費用だけでなく手間の面でも負担が発生します。

専門知識や手続きの煩雑さ

法人設立には、定款の作成、公証役場での認証、登記申請など多くの手続きが必要です。これらは専門的で複雑なため、法的なミスや余計なコストを避けるには、司法書士や税理士といった専門家に依頼するのが現実的といえます。

収益水準によってはメリットが少ない

年間売上が少額(たとえば500万円未満)や赤字が続く場合、法人化による節税効果よりも設立・維持コストの負担が大きくなる可能性があります。特に設立初期の段階では、収益が安定しない中で固定費が重くのしかかるため、慎重な判断が必要です。

法人住民税の均等割

法人は赤字であっても、毎年「法人住民税の均等割」を支払う必要があります。一般的には年間約7万円程度が目安です。収益が安定しない初期段階では、大きな固定費として負担感が強くなるでしょう。

社会保険料の事業主負担

法人は健康保険や厚生年金に加入する義務があります。社会保険料は給与の約30%(労使折半)を支払う必要があり、役員報酬を高く設定すればその分負担も増加します。

税理士報酬等の外注コスト

法人税の申告は個人事業に比べて複雑です。そのため、税理士に依頼するのが一般的であり、年間で数十万円の顧問料や申告料がかかります。

まとめと留意点

マイクロ法人は、節税や社会的信用力の向上といった大きなメリットがあります。しかしその一方で、法人住民税の均等割や社会保険料、税理士報酬といった固定費が必ず発生し、思った以上に負担が大きくなることがあります。

特に売上がまだ小さい段階では、法人化によるメリットよりもコストの方が上回ってしまう可能性があります。設立を検討される際には、初期費用・年間固定費・外注コストを事前に試算し、将来の収益見込みと照らし合わせたうえで判断することが重要です。

この記事の監修者
太田和之

太田和之税理士事務所代表。

東海税理士会所属。

マイクロ法人特化型税理士に特化した税理士として、マイクロ法人設立等のサポートを行う。

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