株式投資
マイクロ法人向け:「法人として株式投資を行う際のメリットと注意点」
目次
① 法人で受け取る配当金の「益金不算入制度」
法人が他社の株式から配当金を受け取った場合、一部または全額を益金として計上しなくてよい(益金不算入)制度があります。これは二重課税を避ける仕組みです。
② 短期保有株式に対する制度適用制限
- 株式を短期間(「権利確定日前1ヶ月以内に取得」かつ「権利後2ヶ月以内に売却」)で保有した場合は、その配当金には益金不算入制度を適用できません。
- 言い換えれば、短期的な株式の売買による配当獲得は、制度の趣旨とはずれた取り扱いとして制限される可能性があります。
③ 源泉所得税に対する法人税の控除に期間制限あり
- 配当金には15.315%の源泉所得税が差し引かれて振り込まれますが、法人税申告時にその全額を控除できるわけではありません。
- 法人税の控除は原則として株式の所有期間に応じた比例控除となります。例えば、1年間配当を得る権利を持つ株式を12ヶ月中4ヶ月のみ所有していた場合、源泉所得税のうち約4分の1しか法人税から控除できません。
- 短期保有によって、控除可能額が思った以上に少なくなるケースがあるため、特に注意が必要です。
マイクロ法人における適用のポイントと具体的留意点
| 項目 | 内容 |
| 投資目的の明確化 | 不動産以外の投資収益(株式等)に関心がある場合は、事業目的に含めて検討可能。 |
| 持ち株比率の設計 | 短期的な株取引では制度適用が制限されるため、配当の益金不算入の割合は所有比率に影響されるため、それに応じた投資設計が重要。 |
| 長期保有が重要 | 短期的な株取引では制度適用が制限されるため、長期的な保有を前提に計画すること。 |
| 税務の専門家に相談を | 配当税務は複雑なケースも多く、導入前に税理士等の確認・相談が推奨されます。 |
まとめ
法人としての株式投資には以下のようなメリットと注意点が存在します。
- 配当金の益金不算入制度により、法人税負担が軽くなる可能性あり。ただし、持ち株比率が低いと適用割合が小さくなることがある。
- 短期保有株式では適用除外となるリスク。長期的な投資設計が望ましい。
- 源泉所得税の控除も所有期間に比例して適用されるため、短期投資では控除額が少なくなる可能性あり。
以上のような制度の特徴を踏まえ、株式投資目的でマイクロ法人設立をお考えの場合は、投資期間や持ち株割合、税務戦略などを税理士と慎重に設計することを強くおすすめします。
この記事の監修者
太田和之
太田和之税理士事務所代表。
東海税理士会所属。
マイクロ法人特化型税理士に特化した税理士として、マイクロ法人設立等のサポートを行う。
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