インボイス
マイクロ法人向けインボイス制度導入後の対策
消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入され、免税事業者では取引先から「消費税分の値下げ」を求められる可能性が高まっています。マイクロ法人としては、受ける影響を最小限にしながら「制度変更を前提にどのように対応するか」が肝心です。
目次
対策①:経過措置を積極的に主張する
マイクロ法人でも、免税事業者としての立場を尊重しつつ、取引先との交渉材料として「経過措置」を活用できます。
経過措置の内容
| 対象期間 | 控除できる割合 |
| 2023年10月1日 ~ 2026年9月30日 | 80%(仕入税額控除が2割に) |
| 2026年10月1日 ~ 2029年9月30日 | 50%(仕入税額控除が半額) |
たとえば、消費税を含む取引では「全額値下げは難しいが、経過措置を踏まえると2割の値下げにとどめてほしい」という交渉が可能です。これはマイクロ法人にとって、大きな交渉の手札となります。
対策②:簡易課税制度を利用して課税事業者となる
売上が1,000万円以下のマイクロ法人でも、インボイス対応のために「課税事業者」を選択し、簡易課税制度を利用する方法があります。
メリット
- 取引先との関係を維持しやすくなる
- インボイスの発行が可能となる
- 簡易課税を選べば、納める消費税を軽減できる可能性がある
留意点
- 消費税の納税義務が発生することになる
- 自社の売上構造やコスト比率に応じたシミュレーションが必要
この選択は“信頼維持”のための方策としても重要です。
マイクロ法人向けまとめ:対策手段を使い分けよう
| 取引先からの要望 | マイクロ法人の対応策 |
| 消費税分の削減を要求された | 経過措置を根拠に適正な値下げを提示(例:初期は 2 割値下げ) |
| 取引を継続したい/評価を維持したい | 簡易課税を選んで課税事業者登録し、インボイス発行対応を開始 |
| コスト負担を抑えたい | 簡易課税制度による税負担軽減を活用し、全体のキャッシュフローを安定化 |
まとめ
- 複数年にわたる見通しを持って対応を計画する・・・経過措置は段階的に縮小される(2023~2026年→2026~2029年)ため、2023年以降の売上見込みと税負担を含めた長期計画が重要です。
- 取引先との信頼関係を重視する交渉を・・・マイクロ法人にとっては、価格交渉よりも「制度を理解したプロ経営者」として振る舞うことが信頼を保つ鍵になります。
この記事の監修者
太田和之
太田和之税理士事務所代表。
東海税理士会所属。
マイクロ法人特化型税理士に特化した税理士として、マイクロ法人設立等のサポートを行う。
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